403氏のSS…15

レックスクエスト
最終話 奇跡と現実(前編)



「ウアァァァァァァァァアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!」

レックスは崩れ行くタバサを抱きしめた。暖かいタバサの血が、レックスの腕に絡みつく

「シャナックっ!!」

れっくすはシャナクを唱えた、タバサに掛けられた呪いが解けてるかどうかは回復魔法を使わないと分からない!!

今はとにかく早くゲマから離れて、タバサに回復魔法をかけてやらないと!!

神よ!どうか、僕のシャナクが間に合っているように・・・・でないと・・・僕は・・・・

────

ゲマは突然の事で動揺した、まさか自ら命を落とすとは・・・

「くっ・・・ここは引くしかありませんね!」

そういい残し、彼はルーラでこの場を離れようとした、が、ルーラが発動する事は 無かった

「ぐっ・・ぐが・・・・・」

「・・・父の命を奪い・・・母の命を奪い・・・・・!!その上に娘の命すら奪うかぁ!!ゲマあぁぁぁっ!!」

ゲマは自分の置かれている状況を把握するのに時間が掛かった

私の作戦は完璧だったはず・・・まず、アベル王の娘を人質にし、勇者と憎きアベル王を弄り殺しにした後、最後にアベル王の娘を殺し、憎き血筋を亡き者にする

作戦は完璧だった。抜かりは無いはずだった。最後に笑うのは私のはずだった。


では、何故私の胸に


アベル王が持つ


剣が




刺さっているのだ?


「お前は死ねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

「ば、馬鹿な・・・私は認めない、認め・・・・・ぐギゃぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

ゲマは断末魔と共に崩れ去っていった、今度こそ、完璧に、止めを刺した

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

なぜ・・・俺は・・・・あの時このゲマに、止めを刺さなかったのだろうか・・・・

あの時止めを刺しておけば、娘は死ぬことは無かった・・・・・・・

悔し涙が止まらない・・・ははっ・・・もう三十路近いのにな・・・・

「はぁ・・・はぁ・・・レックス・・・・タバサを・・・弔って・・・」

アベルがレックスに声を掛けようとする、しかし、返事はない。レックスが居ない。

「ま、まさか!レックスまで!!!」

回りを見回す、が、しかしレックスの姿が居ない、ま、まさか・・・・

「そ、そんな・・・俺は・・・二人の子供まで・・・おーい!!レックスー!!返事をしてくれー!!!!」

アベル王は、息子を探す為に、魔界を彷徨いだした。


─────

「うっ・・・ううっ・・・タバサぁ・・」

父がゲマを倒したその頃、レックスはゲマに見つからないよう、タバサを岩の陰につれて回復魔法をかけていた。

ザオリクもベホマも何度唱えたであろうか、マジックポイントが切れた後も、何度も何度も掛け続けた。

「タバサぁ・・・・起きてくれよ・・・・お願いだよ・・・・」

血は止まっている、と、言う事は回復魔法は効果はあった証拠である。が、しかしタバサは目を覚まさない。

じゃあ原因は・・・・?

昔、父に聞いた事があった、ザオリクで魂を肉体に戻せない例があると。

その例とは、自然死によって魂が往生した場合

そして

自らの意思で魂を肉体からはずした場合

つまり 自殺の場合・・・

「そんなのって・・・そんなのって無いよ・・・酷いよ・・・・自分の気持ちだけ押し付けて・・・僕だって・・・」

僕だって・・・タバサの事・・・・

大好きだったのに・・・・

「僕だって・・・・タバサのこと・・・・大好きだったんだよ・・・?愛してた・・・・」

レックスは、絶望に打ちひしがれ、その場で項垂れた・・・・

「・・・本当だよ・・・・?」

動かなくなったを彼女を抱きしめ、タバサの唇に、レックスは自分の唇を重ねた。

初めてのキス、愛してるという事を相手に伝える為のキス、そして



さよならの、キスだった・・・・



レックスクエスト
最終話 奇跡と現実(前編)終


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