403氏のSS…16

レックスクエスト
最終話 奇跡と現実(後編)


────
ここは・・・・どこ・・・?

・・・・サラボナの町の酒場?

どうしたんだろ・・・?皆とっても嬉しそう・・・・

お兄ちゃん、なんでこんなに背が低くなってるの?

隣に居る女の子は・・・・私・・・?

私が何か言ってる・・・・

ああ、そうか・・・私、死んだんだ・・・

これが走馬燈って物なんだ・・・・

懐かしいな・・・・ミルドラースを倒した後・・・

私、ここでおにいちゃんにプロポーズしたんだったっけ・・・?

確かこの後冗談だろって笑いながら言って・・・

本気だったんだよ?あの時・・・

・・・いいや、もう・・・私・・・死んじゃったんだから・・・

関係ないや・・・もう・・・行こう・・・

『まって、行かないで、タバサ!!』

えっ・・・・?

お、お兄ちゃん?

『僕だって・・・タバサのこと・・・大好きだったんだよ・・・・愛してる・・・』

お、お兄ちゃん・・・本当・・・?

『本当だよ・・・・?』



嬉しい・・・・!!!
─────


タバサに唇をあわせていたレックス

タバサはもう、動かないはずだった。

動かないはずのタバサの腕が、自分の肩に回っていた。

動かないはずのタバサの舌が、自分に答えてくれていた。


レックスの悲しみの涙は、喜びの涙に変わった。

タバサへのお別れのキスは、愛を確かめるキスへと変わった。


そっと唇をはなす、開かないはずのタバサの目が開いている。

「・・・・お兄ちゃん、ただいま・・」

もう開かないはずのタバサの口が、自分を呼んでいる。

「よかった・・・タバサ・・・!!」

レックスは、タバサを抱きしめた。強く、長く抱きしめた

ずっと、ずっと抱きしめた

生きていてくれてありがとう、僕を愛してくれてありがとう。そう思いながら、ずっと、ずっとタバサを抱きしめ続けた・・・・

─────

─────
タバサが目を覚ましてからどれくらい経っただろうか、二人は、長い時間、お互いのぬくもりを感じあっていた。

「・・・・そろそろ、行こうか?皆心配してるだろうし・・・・」

「う、うん・・・行こう、お兄ちゃん・・・ヘンリー君にも結婚の事、ちゃんと断らなくちゃいけないしね?」

「結婚・・・?ぷっ!あっはっは!!アレね?僕達が勝手に勘違いしてただけだったんだよ?」

レックスが笑いながらタバサに伝える。

「えっ!そ、そうだったの!?・・・・わ、私てっきり・・・」

タバサが顔を真っ赤にして答える。

「本当だよ?それにね?もし本当だったとしても・・・・」

レックスが笑いを止め、まじめな顔でタバサの顔に近づく。

「僕が、タバサをさらって行くから・・・・」

そう言いながらレックスは自分の唇をタバサの唇に軽く当てる。

「お、お兄ちゃん・・・うれしいの・・・」

「だから・・・安心して戻ろう?タバサの服、もうボロボロだし!僕もクタクタだぁ!!早く着替えてゆっくり休もうよ!!」

「う、うん!!じゃあ!帰ろうお兄ちゃん!!!!みんなの所へ!!!」

タバサはルーラを唱えた、皆が待っているラインハットへ!!


────
「・・・・皆、まだ帰ってきてないんだ・・・」

ラインハットに戻った二人は、城の中の親睦会が行われていた所へと向かった。

しかし、そこには誰も居なかった。見回りの兵士に話しかけてみたところ、ルドマンご一行以外の人間はまだ戻って来ては居ないらしい。

「きっと僕等の事、地下で待っているんだね・・・・行こうかタバサ!」

「あ、お、お兄ちゃん、そ、その・・・行く前に・・・」

タバサが顔を赤らめる

「ん?どうしたのタバサ?」

「き、着替えてきても・・・いい?」

そういえばタバサの服は先程の戦闘やらでボロボロだ、その上血だらけである。

「あ、うん、僕はここで待ってるから、早く着替えてきなよ、僕はここで待ってるからさ?」

「じ、じゃあ、急いで着替えてくるの、ちょっと待っててね?」

そう言い残し、タバサは自分に割り当てられた部屋へと向かっていった


────

「おっそいなあ・・・タバサ・・・」

タバサが着替えてくるといってから20分は経過していた、流石に少し心配にはなってきた

様子を見に行こうか、そう思っていたところで後ろからタバサの声が聞こえた

「お、お兄ちゃん・・・お、お待たせ・・・」

「ああ、遅いよタバサ、何して・・・・た・・・」

レックスはタバサの姿を見て、レックスは閉口してしまった。

「へ・・・変かな・・・?お、お兄ちゃん・・・・」

そこには、ウエディングドレスを着たタバサが立っていた。

「へ、変じゃないけど・・・・・な、何で・・・・そ、そんな・・・」

「こ、これしか服が・・・無かったの・・・」

嘘である。本当はレックスが自分の事を愛してくれてると分かった時から、これをすぐに着ようと心に決めていたのである。

「そ、そうなんだ・・・そ、そうだ!!タバサ!少しだけ待ってて!!」

そう言い残し、レックスは自分に割り当てられていた部屋へと向かっていった。

と、思ったら何かを手に持ってすぐに帰ってきた。

「はぁ・・・はぁ・・・た、タバサ、少しだけ、目を閉じて・・・・」

「・・エッ・・・う、うん・・・・」

レックスは、タバサの頭の上にシルクのヴェールをかけてやった

綺麗なヴェールだった。

タバサに自分の手でかけてあげたいと言う

レックスの願いは

かなえられた。

「お、お兄ちゃん・・・こ、これ・・・!?」

「・・・綺麗だよ、タバサ、すごくね・・・さあ!!」

そう言いながらレックスはタバサの手を持ち、皆がまっている地下へとタバサを引っ張っていった。

暖かい手だった

ウェディングドレスを着た自分の手を、レックスに引っ張ってもらいたいと言う

タバサの願いは

かなえられた。

「行こう!!きっとみんな心配してる!!」

「う、うん!!」

二人のその姿は、15年前の父達の結婚式そのものの姿だった─────


レックスクエスト
最終話 奇跡と現実(後編)終


戻る