ペコ氏のSS…20

DQ外伝の外伝


王と王妃の行方不明事件から早6年。これは、双子のレックス・タバサもすっかり大きくなり、

召使いのサンチョと一緒に、両親を探す旅に出る少し前のお話・・・。


部屋から一人の少女が出てくる。少し元気がないようだ・・・。

少女の兄、レックスがそんなタバサを見つけて声を掛ける。

「おはよー!タバサー!元気ないね、どうしたの?」

「あ、おはよう・・・ヒック・・・お兄ちゃん・・・ヒック。」

タバサの喋り方が気になったレックス。心配そうに問い詰めてみる。

「ど、どうしたの?タバサ・・・?」

「うん・・・ヒック。なんか・・・ヒック、シャックリが止まらないみたいなの・・・ヒック。」

「た、大変だね・・・。シャックリって確か、驚いたりすると止まるんだよね?」

「うん・・・ヒック。そう聞いたこと・・・ヒック・・・あります・・・・ヒック。」

そう言ってレックスはタバサに背を向けて、バッと振り返り叫びだす。

「ワー!ワー!ワー!・・・・・・どう?」

あっけに取られる顔をするタバサ。

「・・・ど、どうって・・・ヒック。そ、それじゃあ・・・ヒック、驚けないです・・・ヒック。」

二人で知恵を振り絞るが良いアイディアを出せないまま、サンチョの家に足を運ぶ。

「サンチョー!いるー?」

レックスがドンドンと扉を叩くと、中から割烹着を着たサンチョが出てくる。

「これはこれは、レックスさまにタバサさま。どうされました?」

「うん、タバサのシャックリが止まらないんだ!何かいい方法知ってるかと思って・・・。」

レックスの後ろではタバサがシャックリを何度も何度も繰り返している。

サンチョはそれを見て、少し考えた後、何か閃いた様に話し出す。

「それはお困りでしょう・・・。それでは、ちょっと待っててくださいよ・・・。」

そう言ってサンチョは部屋の扉を閉め、次の瞬間勢いよく扉を開ける。

「ワー!アー!ダー!・・・ハァハァ、どうです?止まりましたでしょ?」

あっけに取られた顔をするレックスとタバサ。

「サンチョ・・・ヒック。それさっきお兄ちゃんが・・・ヒック・・・やりました・・・けど

全然・・・ヒック・・・驚かないから・・・。」

「おお、そうなのですか!?レックスさまとネタが被ってしまうとはこのサンチョ、一生の不覚であります・・・。」

悲しい顔をするサンチョにレックスは

「えっと、サンチョ何気にぼくのこと嫌い・・・?」

「め、滅相もございません!ただ、その何と言いますか・・・おお!そうだ!塩水です!

塩水を飲めば治ると聞いたことがありますぞ!少々お待ちください・・・。」

急いで部屋の中へと行き、台所で用意をするサンチョ。その後ろ姿を見て二人はホッと

息を撫で下ろす。

「ささ、これをググッっと!さあ!!」

「う、うん・・・ヒック。(ゴクゴクゴク)・・・あうー、しょっぱいです・・・。」

グニーと顔の表情を歪めるタバサの顔を見てレックスは笑いそうになるのを必死で堪える。

「どうですか・・・?」

「・・・・・・・・・止まった!止まったよ!サンチョ!ありがとうです!」

3人がワイワイ騒ぎ出す。

「・・・・・・ヒック。あれ・・・?」

喜んだのもつかの間、タバサのシャックリは止まったどころか、先ほどより酷くなっていた。

「なんか・・ヒック。さっきより・・ヒック・・・ひどいよう・・ヒックな・・・ヒック。」

その声に表の兵士がスタスタとやってくる。

「どうされました?タバサさま。おや、レックスさまにサンチョさまもご一緒で・・・。」

「あ!ピピン!んとね、タバサのシャックリが止まらないんだ!あんまり期待してないけど、

いいアイディアないかなぁ?」

「サラッと酷いこと言いますな・・・シャックリですか〜・・・。では、我が家に伝わるとっておきのを・・・。」

『と、とっておき・・・「・・・ヒック」?』

3人が息を飲んでピピンを凝視する。

「ワー!ワー!アヒャー!ウヒョー!」

「ねぇ・・・サンチョ・・・。」

「なんです?レックスさま・・・。」

「ピピンに聞いた僕がバカだったんだよね・・・。」

「ご自分を責めないで下さい・・・。」


           終


────────

「って勝手に・・・ヒック・・・終わらせないで下さい・・・ヒック!」

「どうですか?タバサさま・・・治りましたか?」

三人が冷え切った目でピピンを見つめている。ピピンは耐えられず、その場を逃げ出した。


「困りましたね・・・。シャックリは長い間止まらないと呼吸困難で死んでしまうと言いますし・・・。」

「え?・・・ヒック。そういえば・・・ヒック・・・なんか・・・ヒック・・・息苦しくなってきたような・・・ヒック。」

「そ、それは大変でございます!レックスさま!!何か考えましょう・・・!」

「うーん・・・。ああ!あんな所でバニーガールが水着脱ごうとしてる!!!」

突然指をさし大声を出すレックス。サンチョは慌てて後ろを振り返りバニーガールを探す。

「え?どこでございますか??」

レックスはサンチョが後ろを向いた瞬間、タバサの唇に少し触れるようなキスをする。

「レックスさま・・・どこにもいないではないですか・・・。おや?どうされました?

タバサさま・・・お顔が真っ赤でございますよ・・・?」

「な、なんでもないです・・・。」

「ターバサ!シャックリ、止まったね?」

「え?あ・・・本当だ・・・やったよ!お兄ちゃん!!」

3人は大喜びではしゃぎまわる。その後、レックスとタバサが自分たちの部屋に戻ろうとした時、タバサがレックスに問いかける。

「ねえ、お兄ちゃん・・・さっきのは・・・?」

「えー?気にしないで!タバサが死んじゃったら困るし!」

「う、うん・・・。」

「じゃあタバサ、また後で遊ぼうね!・・・ヒック。あれ?」

「お、お兄ちゃん・・・シャックリ・・・。」

「・・・ヒック。タバサのが・・・ヒック・・・うつっちゃったのかな・・・ヒック。」

「と、とりあえず・・・塩水飲んでみる・・・?」

「うん・・・ヒック。そうする・・・ヒック。」

こうして、タバサのファーストキスは見事レックスに奪われ(?)たのでありました。

その後、レックスのシャックリはピピンへとうつり、ピピンは危うく呼吸困難で

この世を去ってしまいそうになったとかならないとか・・・。


今度こそ、おわり


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