ペコ氏のSS…4

DQ外伝〜約束〜 第3話 後編


「(お兄ちゃん・・・こんなに顔が近くに・・・これは夢かな?夢なら夢でいいか。大好きなお兄ちゃんとキス・・・できる・・し。)」

タバサの夢と現実が区別の出来ないほんの一瞬の時間に、二人は唇を重ねた・・・。

それはほんの一瞬の時間なのだが、レックスにはとても長く感じられた。

フッと目を覚ますタバサ。上半身を起こすとすぐ隣で本を読んでいるレックスが目に飛び込む。

「あ、お兄ちゃん・・わたし・・変な寝言・・言ってなかった?」

「おはよ、タバサ。うーん、ヨダレが出てたから拭いてあげといたよ。」

「ウ、ウソ!あーもー恥ずかしい・・・。」

顔を真っ赤にして机におでこを当て両手で顔を覆うタバサ。しかしそれは、レックスが自分の動揺を彼女に悟られないようにするために出したとっさの冗談なのである。

本をテキパキと片付ける二人。その作業をしながらレックスはタバサに話掛ける。

「さあ、もうこれ以上遅くなっちゃうと父さんと母さんに怒られちゃうよ。帰ろうか、タバサ。」

「うん、そうだね。」

城を出てタバサはルーラを唱えた。その光は二人を包み、天高く舞い上がる。

その光を最後まで目で追っている青年コリンズ。遠く、光が消えるまで見つめると片手に持ったグラスに口をつけて

「神様ってのは残酷なものだな・・・。愛し合ってる二人なのに、それは絶対結ばれない運命だなんてさ・・・。」

まるで詩人になったかのようにコリンズはつぶやいた。

すっかり夜も更けた頃グランバニアに到着した二人。

すぐ横に住むサンチョに気づかれない様に忍び足で城内に消えていく。

二人は彼女の部屋の前で別れ、レックスはそのまま父の部屋へと足を運ぶ。

父の部屋の前で服をパッパと払い扉をノックして中の父に話掛ける。

「父さん、レックスです。入ります。」

扉を開けるとアルスは椅子から立ち上がり、読みかけの本を机の上に置きレックスの方を見つめながら

「どうだい?レックス。答えは出たのかな?」

期限は明日だと言うのにアルスはレックスが何を言いにきたのかを悟ったかのように話掛ける。

「ええ、僕・・・試練受けます。」

その言葉を聞いたアルスはにっこり微笑みレックスの頭をポンッとたたきこう答える。

「そうか、でも安心しなさい。試練の後すぐに王位につけ!なんてことはしないから。ただ、これからは君にも国政に参加してもらいたいんだ。後の世のためにね。」

それを聞いてホッと胸をなでおろすレックス。

結局王家の試練は明日正午から行うことを二人で決め、そのままレックスは自分の部屋へと戻り、まだタバサの唇の感触が残っている自分の唇に手をあてその日はそのまま床についた。

一方タバサはというと、兄レックスとのキスを夢の中の出来事にしては唇の感触が鮮明すぎるのではないか?と考えながら眠れない夜を迎えた・・・。


DQ外伝〜約束〜 第3話 後編・完


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