杖を探しに 第三部(前編)
「サンチョ、この辺だよね?」
三人はもうベネットに言われた島のすぐ近くまで来ていた。
しかし地図に無く、それに小さいとくるとその島を見つけるのは至難の業だった。
「この辺で船をいったん止めます。皆さんはこれで島を探してください。おそらくこの近くでしょうから。」
そう言ってサンチョは二人にどこから持って来たのか分からない双眼鏡を手渡した。
「へぇ、サンチョ用意がいいね。これどうしたの?」
「こ、これは、必要になるだろうと思ってオラクルベリーの宿屋からちょっくら拝借してきました…。」
「…。まぁ、とにかく探そうよ。タバサも一緒に。」
三人は双眼鏡で辺りを覗き始めた。すると、本当に小さな島が見えた。
「ねぇ、お兄ちゃん、サンチョ、あれじゃない?」
「ちょっと見せてください。あっ、多分あれですね。近くに行ってみましょう。」
サンチョは船をその島の近くに寄せた。その島は半径10メートルほどの島だったが、
その中央には穴が開いていて、島の中に下りられるようだった。
「いよいよですね…。心していきましょう。」
穴、いや洞窟の中は思ったより広く、あんなちっぽけな島の地下にあるにしては大きすぎ
るほどだった。
しかし、迷路のようになっているわけではなく、ただ広い空間が広がっているだけだった。
奥のほうに光が見える。
「あっ、あっちに光があるよ。タバサ、サンチョ、行ってみよう。」
レックスが先頭を切ってその光のほうに向かう。しかし、その時後ろから声が聞こえた。
「ちょっと待ちな。おめぇら、そっちに何があるかは知ってるよなぁ。どうせベネットに頼まれて来たんだろう。だがハーゴン様の杖はわたさねぇぜ。」
三人が後ろを振り向くとそこにいたのも三匹の魔物だった。
三匹の中でも特別強い気を持った魔物が喋りだした。
「三対三だ。よし、そこのガキ、お前はこのベリアル様が相手をしてやる。そこのデブはバズズ、お前だ。そこの小娘はアトラスに行かせる。思う存分暴れて来い。」
「レックス様、タバサ様、落ち着いて。勝負を長引かせないように。一瞬で決めましょう。」
そして戦いが今、始まった。